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コラム

2009/06/09 人体実験と治験の違い

「治験は人体実験ではない。」と言うと、「どう違うのですか。同じように思えるが。」という反論をされます。

私もうまく説明できない、というのが正直なところです。実際やっていることは、人体実験と同じと言われても仕方がないかもしれないと、思ったりもします。
 定義ということから言うと、人体実験は「実験」ですが「治験」は治療の一環として行われる、ということになります。昔、ナチスとかが行っていた人体実験は、病気でも無い健康な人の体に病原菌を注射して、それから薬の効き目を調べたりしていたわけですが、治験はあくまでその病気になっている方に、ボランティアとして協力を依頼し、その人の病気を治す治療行為の一環として行われるものです。

 なので、一部で問題になっているブラセボの使用の例があります。治験が治療であるというのなら、薬ではない砂糖の塊であるブラセボを投与することのどこが治療なのか、というわけです。この理由で、いくつかの病院ではブラセボを使用した治験はやらない、と宣言しているところもあるようですね。

 治験は「倫理性」ということをやかましく言います。やっている私たちからすると、そこまで厳しく言わなくてもと感じることさえあるほどです。でも、この厳しい「倫理性」が治験と人体実験を分ける線なのではないかと思っています。
 ボランティアである被験者さんには、治験の内容について詳しく説明し、それを書いた文書(パンフレット)をお渡しし、最終的に文書に署名していただく形で同意をとります。あくまで本人が同意したうえで行う、これが「倫理性」の第一にあるものです。

M.M(男)

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